今年は『忖度(そんたく)』って言葉がよく聞かれますよね。
安倍総理絡みの報道で常に付きまとう、この忖度という言葉について改めて考えてみます。
『忖度』 他人の心をおしはかること。「相手の真意を忖度する」
(出典:デジタル大辞林)
会社や取引先の気持ちを汲み取って、先回りして仕事を行う。
これに関しては社会に出て仕事をしてる人間であれば当然のこと。
安倍さんの件は、お友達のために国民の血税が使われているから問題になってるのであって、仕事をしてる以上忖度ということはある程度あってしかるべきことなのである。
これ、バンドにも同じことが言えるんです。
インディーズとメジャーの違い
先日も書いたんだけど、この忖度の度合いもおそらくインディーズとメジャーでは違うのかなと。

インディーズはまず自分がやりたい音楽を志向することに重きを置くことが多い。
簡単に書くとこういうこと。
- やりたい音楽をやる
- ファンがついていく
- バンドが大きくなる
- メジャーデビュー
広告・宣伝にお金をかけられないことが多い代わりに、決定権を持つスタッフも少ない。
結果、忖度をする場面が少なく、バンドがやりたい方向に突っ走れる場面が多い。
ファンも少ないし、よりコアな人が多いのでバンドがやりたいことに寛容である。
先に述べたdustboxはメジャーで慣れない日本語詞を歌わされて早々にインディーズに帰ってきたのだが、好きなことをやり続けて金を稼ぐっていうのは本当に難しいのである。
それに対してメジャーはこんな感じか。
- やりたい音楽をやりたい(レコード会社の意向が入ってくる)
- ファンがついていく(音楽性が変わり、ついていけない人が出てくる)
- バンドが大きくなる(以前とは違うファンが付いて)
- メジャー定着(インディーズに戻れない)
一般的なイメージは、メジャーほど自分のやりたいことがやれない。
やりたいことに対して意見をする人も多いので、より忖度をしなければならない。
ここでバンドがバンドでなくなることが多い。
例えば前のファンと新しいファンが別れることがある、きのこ帝国のように。

レーベル内レーベルという選択肢
最近よく見られるレーベル内レーベルってパターンはどうなんだろ。
Suchmosはソニー・ミュージックレコーズへの移籍と同時にF.C.L.Sというレーベルを発足させてる。

SHANKもエイベックス内にBAiT Fish RECORDSを立ち上げている。

他にも調べれば色々ありそうだが、基本的には今の流行りでもあるやり方です。
イメージとしてはインディーズとメジャーのいいとこ取りって感じでしょうか。
フィールドがでかくなればなるほど忖度しなければいけない対象が増える。
メジャーのレーベル内レーベルというのが今後も広がっていくとしたら、そこらの兼ね合いが上手いことできるフィールドってことでしょうね。
でもこのレーベル内レーベルって、所属アーティストが増えれば増えるほど効果が薄くなるような。
例えば6/28、さいたまスーパーアリーナワンマンのDVDを発売するWANIMA。
所属はワーナーミュージック・ジャパンのレーベル内レーベルunBORDE。
ちなみにここの所属アーティストはこんな感じ。
- あいみょん
- アカシック
- indigo la End
- CAPSULE
- きゃりーぱみゅぱみゅ
- ゲスの極み乙女。
- 神聖かまってちゃん
- 高橋優
- チームしゃちほこ
- 天才バンド
- tofubeats
- RIP SLYME
- livetune+
- WANIMA
- yonige (参照:Wikipedia)
おそらく色んなジャンルのアーティストを売るノウハウがあるってことだと思うけど、WANIMAが特色をどう出すかは未知数です。
とりあえずメディアに露出しまくるという売り方だけは現時点ではわかるが。
ライブに忖度するべし
結局のところ、みんな色んな所に忖度をしながら仕事をしてるのである。
インディーズは偏る、メジャーは偏らない、レーベル内レーベルはいいとこ取り。
そんな簡単に忖度の度合いを分けることはできないが、どこを向いて仕事をするか、これはバンドだけでなく社会人としては誰しもが意識してることである。
バンドマンは誰のために曲を届けるのか。
スタッフ?既存のファン?それとも新しいファン?
費用対効果って言葉があるように、メジャーであれば当然お金をかけれる代わりに最低限の販売枚数は見込めるはず。
だからってみんなの心に残る曲になるのかといったらそんな単純な話ではない。
いくら各方面に忖度しても、その結果として何も残らないのであればやってる意味はなくなる。
昔みたいにCDがバンバン売れる時代じゃないし、何を持って売れてるのかって基準は難しいのだが、いい曲って何も言わなくても伝わるわけじゃないと思います。
ライブにおけるMCも非常に重要な要素だと思うし、そのライブが素晴らしいものであればじわじわと拡散していくし、ダメなものはあっという間に淘汰されてしまう。
体験型の時代の今だからこそ、その曲の良さも発信しなければいけないし、今そこにいるファンのために全力で取り組むことはインディーズでもメジャーでも一緒のような気がします。
だから、いい体験を皆で共有すること。
そして、常に予想を上回ること。
WANIMAや10-FEETなど今売れてるバンドは、MCを含めたメッセージの込め方ができてる気がします、それも愚直にこつこつと。
前回のライブが満足度100だとしたら今回は少なくとも101に。
それが99や98でもその人は足が遠のいていく可能性があります。
今回はあまり良くなかった…なんて呟こうものなら、あっという間に拡散される可能性がある厳しい時代です。
いい噂はゆっくりと、悪い噂はあっという間に。
SNS全盛の今は色々と大変です。
気をつけてくださいね、yonigeさん…
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