どうも、パンク大好きデミさん(@Takenoco0803・@demisansan)です。
今回はハコの大きさとお客さんの質について。
ハコがでかくなるとお客さんの質が低下していくのはなぜだろうか。
考えてみました。
古参ファンVS新規ファン

気持ちはわかる
会場のキャパが大きくなるということは、それだけ沢山の人が来るということだ。
その中には大まかに言って二種類の人々が混在することになる。
- 売れない頃からずっとファンだった、いわゆる古参ファン
- 新しくファンになった、いわゆる新規ファン
この二種類の人種は仲が悪くなりがちなのである。
古参ファンは新規ファンのルールを守らない行動が目につくし、新規ファンは新規ファンで、あとでそういうのをSNSとかで見ちゃうとめんどくせえなって思う(直接言わない・言えない時代だからね)。
古くからのファンは、それこそ自分たちがバンドを支えてきたという自負があるし、だからこそバンドがでかくなって嬉しい半面、寂しさを感じてる。
売れたらチケットが取れなくなるし、ファンサービスも出来なくなる。
ま、新しいファンからしたらそういうのがやっぱりめんどくさいんだろうけど、そこでまず軋轢が生まれるのだ。
ハコがでかくなると客の質が落ちていく(ように感じる)というのはその根本にそういう下地があるはずだ。
想いの濃さで質が決まる
単純に集まる人が増えれば変なヤツが一定数混ざるのは当たり前。
今年の渋谷のハロウィンが荒れたのも、そもそも人が少なければあんなことは起こらない。
参照:渋谷ハロウィン、今年も暴徒化…軽トラ横転、痴漢、盗撮、大量のごみ
群集心理というもので、人間なんて簡単に変なヤツの負のパワーに引っ張られるんですよ。
SHANK OF THE MORNING × 11 YEARS IN THE LIVE HOUSE(CD+DVD)
SHANKの例を出してみよう。
先日の横浜FAD公演はほんとに素晴らしかった。
あいかわらずモッシュピットはグッチャグチャだし、若い子らはパワーも有り余ってるんでフロアはとにかく激しい。
でも、無秩序の中の秩序というか、荒れた感じは全くしなかった。
しかし、2018年1月の新木場STUDIO COASTでのワンマンはあまり印象が良くなかった。
危ねえな、って思うことがたくさんあった。
そもそもチケットはまずそのバンドのコアなファンが最初に買う。
それで完売しなかった分が次の先行販売に回っていく。
ファンのそのバンドに対する想いの濃さとでも言おうか。
狭いハコというのは単純にキャパが小さいから、濃いファンがそのフロアを占める可能性が高くなる。
今年の1月の新木場公演は新しい挑戦だったし、しかも平日だった影響もあり、残念ながらチケット完売しなかった。
だから結果として色々な人が増えた。
結局、濃いファンと薄いファンの割合次第でそのライブの客の質というのは決まるのでは?と思うんです。
もし、1次先行・2次先行で完売してしまえば、想いが濃い人しか集まらないのでいいライブになるに決まってるんです。
来年1月27日のSHANKの新木場公演は日曜だし、もっといい雰囲気になってると思いますけどね。
バンド側の心理
ではバンド側はこのことをどう思ってるのか?
どんどん会場のキャパをデカくしてビッグになりたいと思うのか、それとも濃いファンとばかり共にいたいのか。
それはまずバンドのキャリア・年代も関係してくる。
PIZZA OF DEATHの2大バンドを例にとって考えてみよう。
Hi-STANDARD方式
Hi-STANDARDはライブハウスにずっといたかった。
それでも人気が加速しすぎてチケットが取れない人がたくさん出てきたので、その代わりにAIR JAMという、仲間のバンドを集めたイベントを作ってその帳尻を合わせようとした。
あのまま活動休止しなければもしかしたらアリーナクラスに進出してた可能性もあるが、今になってみればそれはわからない。
その下の世代の10-FEETやマキシマム ザ ホルモンも基本的には同じ方法を踏襲している。
フェスではどでかいステージでやったりもするが、ライブハウス中心の活動をしてる。
そのライブハウスのキャパ自体はでかいが、アリーナ進出には否定的だ。
WANIMA方式
ハイスタと同じPIZZA OF DEATHのWANIMAはこれと真逆の方法を取った。
どんどんキャパをデカくしていき、さらには地上波にもがんがん進出。
しまいには紅白にも出てしまった。
同世代の04 Limited Sazabysも方法は同じ。
武道館をやって、そのあと更にキャパのでかいアリーナに進出していってる。
「あえて」のライブハウスツアー
ではアリーナに進出したバンドがいつもアリーナでやってるかといえばそうではない。
彼らもライブハウスツアーを行ってる。
参照:04 Limited Sazabys、2年ぶりフルAL『SOIL』10/10発売+ライブハウスツアー開催
だが、これはおそらく「あえて」だ。「あえて」ライブハウスでライブをやるのだ。
彼らも狭いハコのほうが盛り上がるし楽しいのがわかってるからだ。
初心を確認したいというのもあると思うが、単純に彼らも楽しい。
ファンはコアなファンばかりだし、盛り上がらないわけないからね。
好きな人に好かれたいために

コアなファンを増やそう
ワニマもフォーリミも、最初は小さいライブハウスから始まってる。
そして人気が出るに連れてキャパを増やしていった。
トライ&エラーを繰り返し、自分らにプレッシャーもかけ続けて今の地位に上り詰めていったのだ。
トライしなければ新規ファンは獲得できない。
しかしトライをすればそれだけ色んなことが起きる。
それを一つ一つ潰していくという地道な作業は今も、そしてこれからもずっと続いていくのだ。
つまり、狭いキャパでは最高で、広いキャパではあまり良くないのだとしたら、それはそのバンドの力なのだ。
狭いハコと広いハコで同じことをやっても、ファンの熱量が違えば違うことが起きるのは当たり前。
だからコアなファンほど狭いハコを求めるし、狭いハコを求めて遠征する。(地方のライブはその地方のファンにまず行って欲しいというのが本音ですが)
だって熱量が絶対的に違うもん。
今後、バンドが大きくなりたいのであればコアのファンを増やさなければいけないし、コアのファンが増えればハコがでかくなったってそう荒れることはなくなる。
基本ライブハウスは自由にやればいい。
でも、その自由の中のマナーの質は、そのバンドへの思いの強さと比例する。
好きな人に迷惑かけたくないじゃん?
好きな人にもっと好かれたいじゃん?
キャパが増えれば増えるほどバカな奴は増えるけど、それを上回るくらいの強い想いを持った人がバカなやつのケツを拭けばいいだけですよ。
ほんとはそんなこと嫌だけど、好きなバンドに迷惑かけたくないなら、やれるヤツらが地道にそれをやるだけですよね。
そんなことできるのはコアなファンしかできないって。
そしてその一途な思いはきっとそのバンドに届いてるって。
だから、好きなバンドがもしキャパのでかいとこでやるって聞いたら、まずコアなファンがそのハコを埋めていこうぜ。
なんとかしてコアな層でそのハコを埋めていけば、きっとケツを拭く機会も減るよ。
俺たちの好きなバンドは、ハコの大きさとライブの質とは関係ない。
そこに近づけるために、まずコアなファンはしっかり周りに布教活動していきましょう。
フェスは色んな人いるけど、ライブハウスはそのバンドの色が出る。
細美武士のバンドなんかも、長年の教育の成果でしょうか、きっとお行儀いいと思いますよ。
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