
毎週水曜日24時30分から25時00分放送の細美武士のラジオ『Hedgehog Diaries』。
今回は2020年2月放送分全4回の中から、細美武士のありがたいお言葉をまとめました。
ざわめく心が落ち着くような言葉ばかりです。
ぜひ読んでみてください。
【2/5】細美武士 悩める19歳のリスナーへの言葉
なるほどね、19歳の時、俺はねえ、16だったか17だったかで、そのー、高校を辞めて、ロードレースの世界チャンピオンになろうと思い、えーっと、自分で、まあ、中卒の学歴の状態で、仕事…働きはじめて、肉体労働しながら、えっとー、「バイクのレーサーで世界一になりたい」と思って頑張った挙句、えー、その夢に破れ、俺は一人じゃ何も出来ないんじゃないかと思い、今で言う高認、昔で言う大検を取って、大学へ行き、えーっと、バレー部に入ってしごかれてた頃じゃないですかね。
えっとー(笑)、「どんな将来を思い描いてましたか?」って言われると、正直何にも思い描いてなんかなかったですね。
あのー、そういう「一生、これにかけるんだ」って思った夢に破れた直後だったから、うん、よくわかんなかったですけど、ただ、そういうことよりも、周りの人と全然馴染めない自分、みたいな、でも馴染みたくもない自分、みたいな、こいつとどうやって付き合っていくか、の方が結構、ずっと大変だったかもしれないですね。
まあもちろん普通にね、その、学校行ったりしてれば、高校卒業してさあ就職しましょう、って時だったりとか、さあ大学行きましょう、とか、じゃあどこの大学に行くんだろう、とか、何学科に行くんだろう、大学出るにしたってどういう仕事選ぶんだろう、とか、それで考えるルートももちろんあるけど、人生ってそこからのほうが圧倒的に長いから。
まあ、そんなに、今19歳の決断が、自分の一生を最後まで左右する、なんて思い込まないほうがいいんじゃない?
だから衝動でいいと思うよ。
自分の衝動、心の中に燃えてる情熱が向いてる方、に、進めれば進んだらいいし、それが怖くて、えー、「こっちへ行ったほうが安全だよ」ってみんなが言ってる道を行く、人生を歩むのも、それはね、ヒロの自由だと思う。
どの道を選んだところで、人のせいにしなければいいんじゃないのかなと思いますね。
【2/5】細美武士 周囲に相談できないリスナーへの言葉
俺も結構ね、我慢、する、っていうかまあ、意地っ張りなので、意地を張ることは多いですね。
「全然平気だよ」「辛くなんてねえよ」みたいな、「楽勝楽勝」みたいな。
わかんないですけど、これは女性・男性をこう、差別して言う感じではないんですけど、俺は男性なので、自分の標語として持ってるのは「男なんて意地張って生きてナンボ」だと思ってるので。
意地を張れないっていうのはちょっとかっこよくないな、って思ってるとこがあるんですよ。
だから意地は張ります、張り通したい。
ただどうしても「ちくしょう、今日はもうやってらんねえや」っていう日はあって。
そういう日は俺は一人で、あのー、BARにお酒を飲みに行ったりしますね。
で、一人で行ってBARに行ってバーテンに対して気を遣われずに、飲みたいお酒をパパっと飲んで、なんか疲れを洗い流す気分で飲んで帰ることとかはあります。
もしも親友のTOSHI-LOWがたまたまスケジュールが空いてて東京にいたり、同じ地方にいたら、電話して、「ちょっと頼む、いっぱい付き合ってくんねえか?」って、行ったりしますね。
そん時もあんまり、打ち明けたりはしないかもしれない(笑)。
一緒にちょっと飲んでくれたりするとそれで楽になる。
そんな感じでやってますね、うーん、役に立つかどうかわかんないけど。
ただ、これが、お酒を飲むことが自分の辛い時の逃避に繋がらないように気をつけてね。
だから、できれば部屋で一人で飲んじゃうとかは止めてほしいんだ。
一人で飲むにしてもお店に出かけるとか、できれば誰かを誘って外で飲んでほしいな。
家で一人飲みやってると、どんどんどんどん、それが…アルコールってやっぱ危険だからね、その、そうなんないように上手く…まあアルコールじゃなくてもいいんだけど、なんか自分の、「ちくしょう、今日はもうやってらんねえ」って時になにか、自分のセーフティーボタンみたいな、なにか一個用意しとくといいかもしんない、と思いました。
【2/12】細美武士 ブレアフェスの感想を語る
そうですねえ、まあPTPのライブに思うこともたくさんあるんですけど、その、coldrainのブレアフェス全体でやっぱ一番俺が、「ああ、良いものを見せてもらえたな」って思ったのは、うーんと、例えばSiMとか、coldrainとかONE OK ROCKとか、まあヘイスミとか、あの辺の、なんていうの、あの世代の連中の絆の強さみたいなものをすごい感じられて。
coldrainのギターの機材がトラブってた時の、その、仲間の行動とか、なんかああいうのを見てて、すごいジーンと来たんですよね。
それが何より見れて一番良かったし、その、coldrainの今の自分たちのバンドにかける熱量とかもすげえな、と思って。
良いライブしてたし、かっこよかったですね。
感動しました。
PTPの話はまたどこかで出来ればな、と思います。
すごく、だから正直、並びでね、「うわっ、PTPすごい良いライブやったからこの後coldrainどんなライブやるんだろう」って思ったけど、まあ素晴らしいものを見せてもらえたな、と思いました。
その、なんていうんだろ、coldrainとはこう、出会いもちょっと特殊だったし、まだ、サシで飯食いに行ったこともなければ人生の話とかもしたことないんで、先輩・後輩の間柄もなければ友達でもないんだけど、その、知り合い…ちょっと知り合いがだんだんこう、なんていうの、回数が、話す機会が多くなって深くなってきたかな、ぐらいのタイミングで、その、横の繋がりみたいなのを見れたのはすごく良かったですね。
感動しました。
【2/12】細美武士 バンドの脱退や休止について語る
俺は自分が、11年前?12年前?その、ELLEGARDENの突然の活動休止、無期限活動休止っていうのを経験してるので、そこに向かっていく時の、あの、不安、っていうの?どうなっちゃうんだろう…みたいな気分はよく分かるんだけど。
まあ俺は、ねえ、すごいラッキーだっただけなのかもしれないけど、その後の10年間はほんとに、なんていうの、もちろん大変なこともあったけど、振り返ってみるとすごい大事な10年だったし、なんていうの、素敵な10年だったので。
なんかね、実はその、達也が辞めることに関しても、まあグッドフォー(GOOD4NOTHING)の谷口(TANNY)が辞めた時にしても、いつも同じ話をしてて。
その、このラジオでも何度か話したことあるんだけど、俺が前エルレが休止して、前の事務所を辞めて、どこにも所属してない、仕事も何もない状態にポカーンとなった時に、こう、やっぱり日々落ち込んでたタイミングでさ、アパートに帰ってきて、郵便受けに大きなサイズのエアメールが届いてて。
誰からだろ?と思ってたら矢野顕子さんから届いてた、その、手紙があってね。
なんだろう?と思ってフタを開けてみると、雑誌の切り抜き、ピッて破っただけのページね、で、ニューヨークの大渋滞してる、その、イエローキャブとかが詰まって並んでる時の歩道に、犬がちょこんと座ってこっち向いてる、って写真の、犬の頭の右上に、マジックで吹き出しが書いてあって、あの、漫画のセリフみたいなやつ、が書いてあって。
で、そこにすごい短く、「Hey Man!Change is Good!」って書かれてたの。
それだけ。後は表も裏もなんにも書いてないの。
その…「ねえ、細美くん。変化って良いものよ」って言う、矢野さんの声も聞こえてくるような感じで。
俺はその、尊敬する友人でもあり大先輩でもある矢野さんが、「変化って良いことよ」って言ってくれたその、言葉だけで俺は信じてみようと思ったことがあるのよ。
「そうか、これは良いことなんだ。楽しいことなんだ」って信じるって決めて、その後の今に至る道のりがあるから、なんか、その話をそのままするの(笑)。
したら(木下)正之(locofrank)は、「たった2分位の今の話で、ものすごい気持ちが軽くなった」って言ってくれたりしてて。
ただ、ほんとにねえ、思うんですよ。
だから昔は、バンドとかも絶対メンバー変わらないで続いてるのがベストだと思ってたし、その、2つバンドが解散してこう、なんていうの、メンバーが何人か集まって一個になったりとか、なんかそういうのってこう、やっぱり、初期のあの美しさって無くなるんだろうな、みたいに思ってたんだけど。
今はね、全然考えが変わってて、どんどん変化したらいいんじゃない?って。
そこから生まれてくる新しいもの?だってどうせ前にしかないんだからさ、道は、って俺は考えるようになりましたね。
だからそれは自分…バンドだけじゃなくてそう、周りにいる人達も、なんか、寂しいな?って思うことがあったり、例えば離れていく人がいたりしても、うん、「いってらっしゃい」みたいな、逆に、なんか「おめでとう」みたいな気分も(笑)感じるようになってます、はい。
【2/12】細美武士 結局閉店までパチスロしちゃった話
まあcoldrainのフェスのときにも感じたような、なんていうの、横の繋がりがやっぱり、ハワイアン(HAWAIIAN6)とダストと、まあMONOEYESの中にもある、それは、すごく幸せなことだな、って思う。
で、その(笑)、須賀(dustbox)の有線の話を聞いて俺が思い出してたのは、俺は一時期ずっーとパチスロばっかやってた時期があって。
で、もうその頃エルレはもうレコード出したりしてたんだよね。
で、ある日、えっとー、開店するパチンコ屋さんのドアの前で並んで、30分位並んで、列で待ってる間に、流れてた有線から自分の曲がかかってきたことがあって。
俺、それ聴いて、いや、こんなことしてる場合じゃないんじゃないかな、ってすごい、思ったことがあるんだよね。
それが『SURFRIDER〜 』か『ジターバグ』だったか忘れたけど、聴いた時に、こんなとこ…うーん、こんなとこ並んでねえで…って別に、バカにしてる訳じゃないんだけど、パチンコファンの皆さん、ね、こういうことしてないで俺は家帰ってギター弾いたほうがいいんじゃねえかなって気分、に俺はなりましたね。
で、実際その日どうしたのか?というと、その日は閉店までパチスロを打ってた気がします(笑)、はい。
そんなことを思い出しました、はい。
【2/19】細美武士 SNSに向いてない理由を語る
俺はその、不特定多数の人に対してメッセージを発信するつもりもないし、した記憶もないんだよな。
例えば「東北ライブハウス大作戦のUstream誰でも観れるじゃないですか?」そうかもしれないし、自分のブログもそうかもしれないと思うけど、あれは、あくまでも、何ていうの?ライブに来てくれたりレコードを買ってくれたりしてる人?に届けばいいなと思ってるだけであって(笑)。
その、闇雲に誰かに発信…はそもそもしてない、してるつもりもないんですけどね。
うーん、そうだなあ、これが…ナホが、別にSNSをやりたくないんだったら(笑)、やらなくていいと思うよ。
一生やらなくていいと思う。
その、見てる感じ、なんか、そんなに楽しいもんでもなさそうだなって、俺は思うけどね、うーん。
そもそも俺は、自分が何の飯を食ったのか、とか、どこで何したのか、を、その、知らない人に全然知られたいと思わないから。
何ていうのかな、よくわかんないんですけど。
「なんとかなう」みたいなのもよくわかんないんですけど。
でも、ナオの言う「誤解」に関して言えば、俺は一つ決めてる、っていうか自分の考え方があって。
誤解は、別に誤解じゃん?って思うのね。
その、自分が、まあもちろん、発し方に問題があったんだったら、それは表現の仕方をどんどん磨いて、なるべく誤解されずに伝わるように、あのー、本を読むとか物を書いたりすることで解消できるのかもしれないけど、でもそもそも、全く誤解されない、っていうのは不可能だと俺は思ってるし。
で、誤解されたところで別にそれは誤解じゃん?
だからいちいちその誤解を説いて回んねえでもいいや、って俺は思ってるんだよ。
だってそう思って言ったんじゃねえんだもん、って思ってますね。
まあ最近はそれでは済まないくらい、その「炎上」とかそういうことがあるのかもしれないけれども、うーん、そんなこと気にしてたら生きていけねえんじゃねえの、っていうのが俺の、すごい正直な感想(笑)です、はい。
だから俺はSNSに向いてないと思います。
だって俺は泥酔してね、すごい、思ってもないことを書いてしまいそうだから。
はい、絶対にやらないです。
【2/19】細美武士 MONOEYESアルバムへの決意
えっとね、ちょっと最近思ってることがあって。
何ていうの?わりと敗北続きだと俺は自分の人生を思ってて。
もちろん、傍から見たら全然そう見えないかもしれないし、「こんなにすごい瞬間あったじゃん?」みたいに言われることもあるかもしれないけど、色んなことに負けて、悔しい思いをして生きてきたんだけどさ。
その、やっぱね、敗北とか失敗はね、最高ですよ。
あの、人を、それが、ほんとに取り返せないことならダメなんだけど。
ただ、ほんとのほんとに取り返せないことってそんなにないから。
あの、そうじゃないものだった場合、失敗・敗北って必ず自分を強くしてくれるし、たくさん学ぶことがある。
逆にね、まあ、ほんとに勝ち続けられる人は、だから、ある意味特別なんだろうけど、逆に俺が思うにね、勝利は人をね、ちょっと弱くするというか緩くするというか油断を生むし。
何ていうの、ある程度の自信を持つのは大事なんだけど、それがこう、肥大すると、周りにいる人も力を貸してくれなくなるだろうし、その、何ていうのかな、努力も怠っていくのかな、みたいな。
すごい抽象的で、何言ってんだこいつ?とか思うかもしんないけど(笑)、うん、あんまり、連続で色んなことに勝利するのは良くないな、と、最近思っていますね。
そんな、中途半端なとこで満足してないで、今日もジム行け、と。
今日も明日もジムに行け、と。
で、ギターを弾いて、誰も作れないくらいたくさん曲を作って、そん中から一番良いなと思うものを、みんなのところに届ける。
そういう2か月…3月末、4月の半ばくらいまでの過酷な戦いが始まろうとしています。
はい、頑張ります。
絶対勝ちます!
なんてさっきと言ってることが違うじゃん!と思うかもしんないけど(笑)、はい、そんな感じです。
【2/26】細美武士 ハイエイタスのアンサンブル感について
うーんと、いくつかもちろんあるんだけど、例えばまあバンドで演奏してるので、なるべく客観的に?全員の演奏を一つに聞きながら自分もその一部になるって感覚?で歌う?
だからみんなの演奏とばっちりハマった歌?みたいなところを目指して、もちろんバンド内のアンサンブルは注意して。
みんなそれやってるんじゃないかと思うけど。
あとはですね、最近やるのは何ていうの、人間的に?野性的に?歌うってところをすごい大事にしてるのはもちろんなんだけど、それを大事にしてるのと同時に、その、なんだろうな、こう、聴いてる人が、聴いてて心地良く聴ける?聴いてて楽しいと思える音を出せるように心がける。
その重さは、自分が出してて気持ち良い音よりもちょっと重いんだよね。
一時期はその、自分が出してる音が自分にとっていかに気持ち良いか?だけでやってたんだけど、なんか最近そういう新しい視点が手に入ったんだー、って話を伊澤一葉にしてたら、一葉も全く同じことを最近考えてて、その、「聴いてて気持ちいいピアノってなんだろう?みたいなことを考えてる」って言ってて。
ちょうど我々そういう時期みたいですね。
また変わってくるだろうけどね。
そんな感じです。
【2/26】細美武士 新型コロナウイルスについて語る
まあね、連日ね、すごいニュースを騒がせてますからね。
ちょっと実態が掴めないところもあるんだけど。
うーん、そうですねえ…
まあ俺の日頃考えてることは、もちろん東日本大震災のね震災以降ボランティアとか行くようになって、すごい、こう、自分の無力感みたいなことを感じるわけですよ。
その、自分ひとりに出来ることの小ささっていうかさ。
その、何も出来ない、でも目の前に確実に出来ること、例えば写真を洗うとかね。
その、役場の人達がその、石灰を取りに来た人たちに渡すその作業を替われることで役所の人たちが自分たちの仕事が出来るのを手伝うとか、そういうすごい小さなこと?しか出来ないって最初思ってたのがだんだんと、まあそりゃそうだよな、っていう感じに変わってくるっていうか(笑)。
うん、自分にできることなんてきっと世界を変えることなんて出来ないし、その、何万人もの命を救うなんて大それたことは考えてないけど、だからといって行動しないわけにはいかないな、みたいなところにまあ着地しつつあるし。
あとはまあ当たり前だけど、さっきラジオの、番組の本編中でも言いましたが、もちろん世界が明日ユートピアにになる、みたいなことは無いわけですよ。
その、全員が私と同じように考えてて行動したらいいのになって思うことほど時間のムダはないっていうかさ、それが果たして本当に正しいことなのかもわかんないじゃない?
その、その人それぞれの視点があって、そういう人たちがみんなこの世界で地球を共有して生きてるのが今の地球なんだから、まずはそれを受け入れて。
当たり前だけどどこに行っても自分と意見が違うもいれば、平気で差別する人もいる。
だけどそういうのに立ち向かっていく人もいれば、その、色んな考え方の人が同時に生きてるこの世界の中で、果たしてじゃあ自分はどうするのか?ってことしかやっぱコントロールできないっていうか。
その、例えばこのコロナウイルス、のね、状況でニュースに飲み込まれて、こう、どんよりとした気分で過ごすのも、まあできる、そういうこともあるのかもしれないけど、なんかまあ、気をつけることは気をつけて、石鹸で手を洗ったりうがいをしたりする?
あとはまあほんとに必要のない外出は控えたりする必要はあるのかもしれないけど、だからといって24時間、1週間のうち7日間ずっとどんよりしてんの無理じゃない(笑)?って俺は思うんだよね。
なので、こういう世界の中で、自分がどういうふうに生きていきたいのかな、っていうところからブレないようにすることが、自分にとっては、まあ出発点かなと思いますね、はい。
何かのヒントになってればいいんですけど。
そんな感じです、はい。
コメント