
2019年8月6日火曜日。
the HIATUS『The Secret Spot Tour 2019』Zepp Fukuoka公演に行ってきました。
当日の朝から台風8号が九州を直撃し開催が危ぶまれましたが、無事開催となりました。(当日12時の開催可否の発表まではみんなドキドキしましたよね)
しかし来られなかった人もいるはずだし、開演前に予定されていた物販は終演後になったために買えなかった人もいるはずだ。
細美武士も言ってましたが、地球温暖化の影響でこれからも九州は豪雨災害が頻発する可能性が高い土地です。
備えあれば憂いなし。
何かあってからでは遅いので事前に避難したり防災グッズを予め準備したり、早めの対策を願うばかりである。
すべての要素が合わさった幸せなライブ
さて、肝心のライブはと言うと、もう素晴らしかったの一言です(ツアー中につきセットリストは割愛します)。
ほんと終演後は脱力して動けなくなってしまうくらい圧倒されました。
映像と音楽の融合はこのバンドの持ち味なのかもしれませんが、こんなとんでもないパフォーマンスを観せられて、ライブのチケットが2,600円だなんて未だに信じられないです。

安ければいいというものではありませんが改めてライブに行くとすごく実感します、この値段設定の凄みが。
「果たしてこれで本当に利益出てるんだろうか?平日とは言えZeppなので借りるといくらになるのか?イベンターも入ってるしな…」
終わった後そんなことを改めて思ってしまいました。
2018年12月にオープンしたZepp Fukuokaでライブをやるのは、意外にもこの日が初めてだった細美武士。
「ほんとクソみたいな九州のライブハウス事情に巻き込まれ…」
この言葉が表すように、九州には依然としてくだらないライブハウス事情がある。(この件は過去に一度書きましたがまた改めて記事にしますのでお楽しみに)
Zeppが休止中にはキャパ400人のBEAT STATIONしか使えなかった(正確には細美武士は使わなかった)し、正直このキャパと細美バンドの人気は見合ってなかった。
この日の細美武士はようやく適正なキャパで出来る喜び、それに加えて台風も過ぎ去って無事にライブが出来た喜びもあったのだろうか、とにかく楽しそうだったし、本人も歌ってて「気持ちいい」「楽しい」と連呼していた。
新譜を聴いた人ならわかると思うが、今回のアルバムは従来の5人の演奏を聴かせる、というものよりも細美武士のボーカルをより深く感じられる作品になっている。
楽器隊が引き算を繰り返し、出来る限り細美武士のボーカルが引き立つように作った、そんなアルバムなのだ。
その完成した10曲に既存の曲を加えて行われたこの日のライブは、ELLEGARDENやMONOEYESとは全く違う、静かで繊細で、でもそれでいて会場全体を包み込むような優しさに満ちた素晴らしい時間だった。
そして、メンバー同士で目を合わす回数もとても多く、10年かけて構築された細美武士とバンドメンバーとの深い絆も感じられた。
その絆はこの日会場に来ていたお客さんも同じだ。
メンバーと同じように無事にライブが開催された喜びもあっただろうし、そしていつもはチケットを手に入れられくて悔しい思いをしてた人たちの姿も多かったはずだ。
そんな演者とお客さんの絆がシンクロすると、それはもう素晴らしいライブになるに決まってますよね。
俺はアンコールは当たり前ではないし、演らなければいけないものではないと思ってます。
しかしこの日の会場は、本編終わり、そして1度目のアンコール終わりでも鳴り止まない拍手だった。
みんなが手を抜くことなく、と言ったら語弊があるかもしれないが、会場全体からごく自然に拍手が沸き起こってたと思うのだ。
それに応えてダブルアンコールまでしてくれたこの日のハイエイタスの5人。
「ガキの頃洋楽ばかり聴いていて、歌いたい曲がカラオケでなかった」
「だから自分で曲を作ろうとしたのかもしれない」
この日のMCでそんなことを話してた細美武士。
そのおかげでELLEGARDENが誕生し、奇しくもそのバンドが止まることになった結果誕生したthe HIATUS。
歴史を紐解くと、ハイエイタスのメンバーはエルレ後の細美武士の人生で一番辛かった時を共に過ごしてきた盟友だ。
そして俺のように、『A World Of Pandemonium』以降のオルタナ色の強い難解な音楽についていけなくて離れたファンも一定数いるはずだ。(メンバー同士は逆にこの作品以降関係は深まっていった)
「来るもの拒まず去る者追わず」
「途中で入ってきてもいいし途中で帰ってもいいし、この空間では好きにやってくれ」
細美武士がこの心境に至るまで10年間。
ずっと寄り添ってきたメンバーとの絆、そして見捨てることなくずっと支えてきたファンとの絆、そして開催が危ぶまれた悪天候やようやく人気に見合うキャパで出来た高揚感。
そのすべてが合わさった結果、幸せに包まれた奇跡のようなライブが成立したんだろう。
本当に素晴らしいものを観た時にそれをすぐに言語化するのは難しい。それでも敢えて言うならば、あんなに幸せになれるライブはそうはない。細美武士の作る曲、作る空気、そしてメンバーやスタッフを始め、集う全ての人間が愛おしかった。荒天の中Zeppに集まったお客さんもまた優しかった。#theHIATUS
— デミさん (@Takenoco0803) August 6, 2019
リズムが合わなくてやり直した2度目の『Firefly / Life in Technicolor』。
そんな始まりだったからか最初は笑顔だったのに、俺は途中から涙が止まらなくなってしまった。
本当に本当に、本当に最高でした。
毎回感じる、地方のライブハウスの熱量
地方のライブハウスには、東京のライブハウスでは味わえない感動がある。
なぜならライブの本数が都会とは圧倒的に違うし、それに伴うライブへの渇望感もまた違う。
だから結果的に発せられる熱量が違うんです。
シャイな気質もあるのかもしれないけど、大ハコが多くてどこか冷めてる東京よりも地方のライブハウスを楽しみにしてるバンドも多いと思うんですよねえ。
飯も酒も段違いに美味いしね。
あー、また地方でライブが観たいなあ…
福岡でまだ行ってないライブハウスは某系列のみ(笑)。
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